先日、お客様のホームページを改修した際にWordPressのダッシュボード内に下記の警告が出ていました。
このサイトは、すでにサポートが終了している古いバージョンのPHPを実行しており、AIOSEOで問題が発生する可能性があります。ウェブホスティングサービスに連絡してPHPバージョンを更新するか、推奨のWordPressホスティング会社に切り替えてください。
この警告はプラグイン「All in One SEO」を使っていて、かつ古いバージョンのPHPを使っている時に表示されます。
All in One SEOを使っていても使っていなくても現在はPHP8が推奨なので、PHP7を使用しているのであれば切り替えた方がメリットが大きいです。
とは言え、
PHPとかわけわからん…
できればこのまま放置したい…と思われる方もいらっしゃると思います。
この記事では古いバージョンのPHPを使い続けるデメリットと、エックスサーバー上でのPHP変更方法を解説します。
そもそもPHPってなんなのさ?
PHPとは簡単に言うと、ウェブサイトを動かすためのプログラムです・・・と言っても余計に謎が深まるのでPHPをわかりやすくマンションで例えてみましょう。
1970年代のマンションは5階建でエレベーターがなく、部屋は和室中心。
今でいう、団地が主流の形でした。
現代のような耐震基準もなく、配管も鉄を使うなど、目に見えない部分も今とは全く違います。
それが、時代や暮らしの変化に合わせて、新しい耐震基準が採用されたり、洋室中心の間取りになったり、防犯カメラやオートロックなどセキュリティ面を強化するなど、住みやすいように改善されています。
このようなバージョンアップがウェブサイトの中でも行われていて、PHPのバージョン変更をすることで、より最適化された環境でサイト運営ができるようになります。
ちなみにどうでもいい情報ですがうちの実家は団地です。
古いPHPのままじゃダメなのか?デメリットは?
新しいマンションやアパートがそこらじゅうに建っていますが、わたしの母は頑なに団地から引っ越しません。
そう、別に家が古いからと言って住めないわけではない。
PHPも同じで、古いバージョンのままでも今のところサイトはちゃんと表示されます。
ただ、当たり前ですが最新システムの恩恵は受けられないので以下のようなデメリットも出てきます。
1.セキュリティが弱い
サポートが終了した古いバージョンのPHPは、セキュリティに問題があっても修正されません。
なので最新のPHPと比較するとセキュリティ面でリスクがあります。
例えば、サイトがハッキングされてホームページが見れなくなったり、謎な広告やリンクを勝手に貼りつけられたり、個人情報を抜かれたり。
可能性としては低いですが、このようなリスクがゼロではないことを覚えておきましょう。
2.サイトの表示速度が遅くなる
新しいPHPバージョンは、パフォーマンスの向上を目指したアップデートが行われるので、古いバージョンに比べて処理速度が速くなります。
古いバージョンのままサイト運用を続けると、画像や動画で容量を使うので処理速度が遅くなります。
処理速度が遅くなることでサイトの離脱率が上がったり、SEOにも悪影響を及ぼすのでビジネスでウェブサイトを使っている人は注意が必要です。
3.WordPressのアプデができなくなる
WordPressやプラグイン、テーマは最新のPHPバージョンで動作することを前提に開発されています。
古いPHPバージョンでは、一部の機能が正常に動作しなかったり、完全に動作しない可能性もあります。
最新のPHPに変更するデメリット
ここまで読んでほとんどの方が、絶対新しいPHPバージョンの方がええやんけ、そう思ったことでしょう。
でも残念ながら新しいPHPバージョンを使うことにもデメリットがあるので紹介しておきます。
1.プラグインが使えなくなる可能性
最新のPHPにバージョンアップした場合、そのバージョンに対応していないプラグインは動作しなくなることがあります。
その場合は、代わりとなるプラグインを使うか、プラグインの更新を待つ必要があります。
※2024年8月現在で「PHP8.1.22」であれば、一般的に良く使われるテーマやプラグインはほぼ対応しています。
2.カスタムコードの修正が必要になる可能性
稀なケースではありますが、使っているシステムのカスタムコードが古く新しいPHPバージョンに対応していない場合、その部分を修正する必要があります。
例えば、古い関数が廃止された場合、新しい関数に置き換える必要があります。
よくある例だと、「Count Per Day」というプラグインを使っているとエラーになります。
【1分でできる】エックスサーバーからPHPを変更する方法
PHPのバージョンアップにもデメリットはありますが、やはりメリットの方が大きいですし、今後もサイト運営を続けるならどこかのタイミングでバージョン変更は必要になってきます。
デメリットを理解した上で実際にPHPバージョンの変更をやってみましょう。
ここではエックスサーバーの場合を例に解説します。
1.PHPを変更する前に必ずやること
まず、PHPを変更する前にやって欲しいことがあります。
- サイトのバックアップ
- 管理者メールアドレスの確認
サイトのバックアップはみなさんもなんとなくやる意味が分かると思いますが、意外と重要なのが管理者メールアドレスの確認です。
PHPを変更してエラーが起こると、いつも使っているログインURLでWordPressのダッシュボードに入れなくなることがあります。
代わりにリカバリーモードのログインURLが発行されるのですが、そのURLの案内が管理者メールアドレスに届きます。なので、管理者メールアドレスに間違いがないか、ちゃんと受信できる状態にあるかを確認してください。
管理者メールアドレスはWordPressのダッシュボード内、「設定」→「一般設定」から確認できます。
2.エックスサーバーからPHPバージョンを変更
まず、エックスサーバーのサーバーパネルへログインし、「PHP Ver.切替」を選択します。
次にPHPバージョンを変更したいドメインを選択。
すると下の画像のように「現在のバージョン」と「変更後のバージョン選択」ができるので、必ず現在のバージョンをメモやスクショで残しておいてください。
なにかしらの不具合が起こった際にすぐに戻せるようにするためです。
「変更後のバージョン」はサーバー推奨のバージョンを選択するのが無難です。
変更をクリックして画面に「バージョンを変更しました」と出てきたら完了です。
すぐにサイトをチェックしてエラーがないか確認してください。
重大なエラーが発生した時の対処法
PHPバージョン変更後、そのバージョンに対応していないテーマやプラグインがある場合、サイトを開くと「このサイトで重大なエラーが発生しました」と表示され、サイトが真っ白になることがあります。
この瞬間、やべぇ、やらかした…と凍り付きますが、焦ることはありません。
以下のどちらかで対応できます。
1.元のバージョンに戻す
一番簡単なのがとりあえずサーバーから元のバージョンに戻すことです。
エラーはテーマやプラグインが最新のPHPに対応していないことが原因のほとんどですが、自力で原因を追及したり、解決するのが難しい場合は、アップデートを待ったり専門家に相談してみてください。
2.エラーの原因となるシステムを停止またはコードを書き換える
エラーの原因がわかるならリカバリーモードでWordPressにログインし、原因となるシステムを削除するか、新しいPHPバージョンに対応するよう編集しましょう。
まとめ
PHPバージョンの変更は思っているより難しくありません。
WordPressのダッシュボードに警告が出ている人、まだPHP7以下を使っている人はセキュリティサポートが終了しているので、ぜひバージョン変更を試してみてください。
自分でやるのは怖い方、エラーが出て困っている方は当店で対応できる場合があるのでまずはお問い合わせください。